
経営者としてそれなりの年月を重ねてきて思うのは、お金との付き合い方が昔とはまるで違うということだ。
若い頃は「稼いで使う」のサイクルだった。いい車、いい時計、いい店。それが成功の証だと信じていた。しかし20年以上やってきて気づいたのは、本当の豊かさは「エンドレスユース」、つまり持続可能な資産形成にあるということだ。
お金が働く仕組みをつくる
私が考える「お金のエンドレスユース」とは、使い切る消費ではなく、循環させる投資だ。
不動産収入、株式の配当、事業からのキャッシュフロー。これらは適切に管理すれば、元本を減らさずに収益を生み続ける。
若い経営者たちと話すと、まだ「いくら稼いだか」に意識が向いている人が多い。もちろんそれも大切だ。
だが経験を重ねた今だからこそ言えるのは、「いくら残るか」「いくら循環するか」の方がはるかに重要だということだ。
方針転換がもたらした余裕
私は数年前に方針を転換した。派手な消費を控え、資産が資産を生む仕組みづくりに注力した。最初は物足りなさも感じたが、今では毎月安定したキャッシュフローが入ってくる。これが精神的な余裕を生み、新しいチャレンジへの投資も可能にしている。
エンドレスユースな資産形成。それは老後の不安を消すだけでなく、何歳になっても新しいことに挑戦できる「経済的な若さ」を保つ秘訣だと、私は確信している。
お金は使い切るものではなく、循環させるもの。これが50代経営者の実感だ。